その日はキレイなものをたくさん見た日だった。
「ちょっと待って。」
え。
こんな状況下でも姫は健在なんですね?;
「ネネが言ったの聞こえたよね?v」
「ええ、はい。
聞きたくない言葉が聞こえましたとも。」
今日は夜まで母ちゃんもひまも帰ってこない、絶好のチャンスだった。
一高校生の俺としては、やっぱり実家でこんな機会に巡り合うことは稀で。
はりきってネネちゃんを連れ込んだ。
俺たちが最後の一線を越えられないのは、
環境が整っていないのが最大の要因だと思うんだ。
二人とも、いつだって母親が家にいる。
ちゃんとドアは閉まってるんだから大丈夫だって言ってもネネちゃんは納得してくれなかった。
『完全に安心できるところじゃないと嫌。』
毎回の決まり文句だ。
でも俺もそろそろ限界。
そう思った矢先だった。
母ちゃんが、ひまとむさえちゃんを連れてレストランにお食事に行くことになった。
お食事券が当たったとか何とかで、久しぶりにオシャレして出掛けて行った。
父ちゃんはいつもの通り仕事だから、夜にならないと帰ってこない。
いい雰囲気に持ち込んで。
服も脱がせて。
そこまでは完璧だった。
『ちょっと待って。』
ネネちゃんの悪夢のような声が聞こえるまでは。
え?なに?
この期に及んでストップですか?
いや、もう俺止まんないよ?
限界だよ?
「髪ゴム外させて。このままだと寝にくいの。」
と言って、ネネちゃんは半身を起し、二つ結びの髪を留めているゴムをほどきはじめた。
その姿は、目を瞠るほどの美しさで。
細い肩に垂れていく、君の柔らかい髪の毛。
思わず手を伸ばしてしまっていた。
「…なによ。どうかした?」
驚いたんだ。
行為の中断かと思っていたその言葉は、このまま進めるための言葉であったから。
驚いたんだ。
髪を降ろしたネネちゃんの、あまりにも妖艶なその姿に。
耐えきれなくなって、ネネちゃんを再び押し倒して、キスをした。
「ちょ…。
待ってって言ったのにー。」
なんて言って可愛く不機嫌な顔をしてみせる。
「ごめん。無理だわ、それ。」
「なんでよ。」
「だってネネちゃん、髪を降ろしたらいつもよりもずっとキレイなんだもん。」
「…ふん。何よいまさら。」
以前ルーズリーフに落書いたものです。
なので、スキャンしたら裏写りが激しすぎて、加工するのに苦労しました(= =;)
途中の部分も漫画で描いていたんですが、どうも私、裸が描けませんでして。
お見せすることがどうしてもできないので、最初と最後だけupです★
最初の、下を向くしんちゃんと上を向くネネちゃんが結構うまく描けたので、お気に入りです★
ネネちゃんが髪を降ろした理由がしんちゃんの一言だといいなー。
なんて思って書いてみました。