ネネちゃんにとっての『彼氏』とは、寂しさを紛らわす為だけのものだと。
俺はそう信じて疑わなかった。
そう思えるのもちゃんとした事実に基づいてのことだ。
だってネネちゃんは彼氏よりも友達よりも俺とのことを優先してくれた。
それが何よりの証拠だった。
だからこそ俺は不安になることなんてなかった。
ネネちゃんと一番の結びつきを持っているのはほかでもない俺だって、自信を持って言えたから。
いつからだったかな。
そんな確証もなくなって、不安を感じるようになったのは。
大学生になって初めて俺とネネちゃんは違う学校に通うことになった。
俺とネネちゃんだけじゃない。
かすかべ防衛隊のみんながそれぞれ将来の夢を抱いて、自らが望む道に進んだ。
むしろ幼稚園から高校まで一緒の幼馴染がいること自体稀なんだ。
防衛隊のみんなとは離れたけど、同じ高校から一緒に進学した奴もいたし、中学の頃の知り合いにもあったりした。
大学は広いから交友関係も広がったし、サークルに入ったりバイトしたり。
それなりに楽しんでいた。
それでもネネちゃんとは週に2,3回は会っていた。
いつも傍にいた存在が、今ではわざわざ会いに行かないと顔さえ見れなくなった。
最初こそ違和感があった。
近くにいる女の子に間違えて『ネネちゃん』と呼んでしまったこともある。
それほどに俺たちはいつも傍にいたのだ。
ネネちゃんは大学生になるとしっかりとメイクをして、かわいい洋服を着て。
まるで、俺が小さいころ憧れていたおねーさんみたいだった。
会う度に綺麗になっていく気がした。
毎日は会えないけど、その分会えた日にはいっぱいいっぱい愛し合った。
学校が違っても二人の愛情は変わらない。
そう思っていたんだ。
君なしの日々は、嫌いだ。
俺がネネちゃんと同じ大学に行っていれば。
きっとこんな悲劇は起きなかったはず。
臼井先生のこともあり、自粛しておりましたが。
年も明けたということで再開させていただきます。
もっと幸せな長編に挑めばよかった…。
甘い話はもう一つのお題の方で書きたいと思います。