「初めましてお嬢様。」
その声、その姿に目を奪われてしまったことは誰にも秘密。
***
志村家は世間でも認知度の高い大財閥だ。
広い敷地内には広い邸宅の他にも別館がいくつかある。
庭は、どこかの庭園のようによく手入れが行き届いている。
しかし、その邸宅の主人、つまり志村家当主は今は妻とともに家を留守にしている。
仕事の都合で海外にいることがほとんどなのだ。
つまり、今ここに住んでいるのは志村妙と新八の姉弟の二人…と。
高杉晋助という居候が一人(勿論この3人以外にも多くの使用人が住み込みで働いている)。
この居候は妙達の従兄弟にあたる存在だ。
何故居候をしているのか、それは曖昧な理由だが、実際の所この高杉という男の気まぐれにすぎないのではないかと妙は考えていた。
(あとは実家のある京都に飽きた…とか?)
理由はどうでもよかった。
部屋は余っているし、人が多くなることは姉弟だけで暮らす妙たちにとっても嬉しいことだったから。
3月下旬。
もうすぐ高校2年の春を迎えようとしている時だった。
春休み期間ということもあり、ゆったりとした休日を送っていた。
今は晋助と妙がサロンでアフタヌーンティーを楽しんでいた。
「で?」
「なによ。」
「決めたのか、次の専属は。」
その話題を振れば妙が渋い顔をすることを、しかし避けては通れない話題であることを晋助は知っていた。
「まだ…」
「もう時間はないだろ」
「分かってる」
(分かってるのよ…早く決めなきゃって…)
妙や晋助クラスの人間ともなると専属で使用人がつくことが多い。
妙にももちろん小さいころから専属で使用人がついていた。
今の専属は沖田ミツバという比較的妙と年齢が近いメイドが務めていた。
ミツバは妙と年が近いこともあり、とても気が合い、時には友達のように時には姉のように頼れる存在であった。
しかしミツバは幼少のころから持病があり、定期的に病院で検査をしていた。
その検査でドクターストップがかかり、ミツバはメイド業を辞めざるを得なくなった。
そして妙はミツバの後任を選ばなくてはいけなくなったのだった。
ミツバは妙の春休み期間いっぱいで辞職という形になっていた。
しかし引き継ぎもあるので、後任は3月中には決めなければならない。
志村家の使用人たちの中から決めればいいのだが、なかなかすぐには選べなかった。
「迷ってるようなら高杉の家になかなかいい執事がいるぞ。紹介してやろうか?お前の性格に合いそうな奴なんだ。」
「よく見知った志村家の人たちの中でも迷ってるのに、初めて会った人に専属になってもらうなんて…」
「迷うってことは決定打に欠けてるってことだろう?新しい選択肢を増やしてみるのもいいんじゃないか?」
「…そうかしら」
「会ってみて無理そうなら断ればいいだけの話だ。」
「でも高杉家から呼ぶってことは京都から呼ぶってことでしょ?せっかく来てもらって、はいさようならってわけにもいかないじゃない。」
「そんなことは気にすることじゃない。」
「晋助はそういうことをもっと気にした方がいいわよ。ちなみに名前は?高杉の家にいたのならもしかして私の知ってる人かもしれないし。」
「坂田銀時。妙は知らないだろ?今まで親父の専属執事の下についてたからな。」
「ミツバは知ってる?」
「坂田さんですね、はい存じております。私も数回しかお会いしたことがありませんがしっかりした、頼りがいのあるお方ですよ。…はい、そうですね。いいと思います。妙お嬢様とも気が合いそうです。」
給仕をするために近くに控えていたミツバの方に向き直り聞いてみた。
志村家と高杉家は親族同士ということもあり、使用人の関わりも多い。
家に出向いた時は勿論、勉強会やら両家の連絡事項やらで色々な人と知り合う機会も多い。
名前を聞いてからかみしめるように考えたミツバは、まじまじと私の顔を見ていた。
きっとその坂田さんと私が一緒にいるところを想像していたに違いない。
ミツバがそう言うなら、会ってみようかな。
***
翌日。
晋助が早くも手配してくれ、坂田さんが到着した。
「お嬢様、坂田さんがいらっしゃいましたよ。」
ミツバが嬉しそうに私を部屋まで呼びに来てくれた。
「なんでそんなに嬉しそうなの?」
「え?今日改めて会ってみて、やっぱり私の目に狂いはなかったかなって思ったんです。それに経歴もしっかりしてらっしゃるし、私は安心して後を任せることができます。」
二人きりの時には少し敬語がゆるくなるのも、あえてのこと。
私が気を許してるのもあるし、その方がいいと私が言ったのだ。
ミツバは好印象を持ったようだけど、私はまだ不安だった。
これで決まらなかったらまた皆に迷惑をかけてしまう、ということばかり考えていた。
***
サロンのドアを開けると晋助はソファに座り、坂田さんは傍に立って、二人で談笑していた。
ドアが開いたことに気づくと坂田さんはこちらに向き直った。
面白い髪の色をしてる。
それにふわふわしてて、わたあめみたい。
近くに行くと坂田さんがふわっと笑って挨拶をしてくれた。
「初めましてお嬢様。」
「坂田銀時と申します。」
凛とした立ち姿に目を奪われた。
銀魂キャラの誰を使用人にして誰を主人にしようか悩んでます。
携帯の執事ゲームにはまりました。
最初はモバゲーではまり始め、無料のをやっていたのですが、我慢できず公式サイトを登録してしまった!!
妄想は膨らむばかりですww
なので元ネタはそのゲームです。
主人公の家に居候がいるという設定やサロンでのアフタヌーンティーも元ネタよりw
だってセレブの生活って全く分からないんですもの!!←
所々変えてますが、会話の節々に元ネタの雰囲気が漂ってくるかもしれません。
ちなみに私は中岡さん贔屓ですwww
格好良すぎ、照れてるところとか可愛すぎ。
山科さんもプレイしてみたいのに6人クリアしないとできないキャラとか…。